小さな目標達成の継続で内的モチベーションを高める
1年の始まりに、目標を立てる人は多いだろう。
会社組織においても、部署やグループごとに目標を設定したりするのではないだろうか。
また、社員が抱負を発表したりする機会もありそうだ。
組織として設定する目標にせよ、部下が掲げる抱負にせよ、上司が必要以上に介入するのは良くない。
押し付けは厳禁だ。
サッカーの指導者として、10代の代表チームから日本代表まで関わった山本昌邦氏(現NHKサッカー解説者)は言う。
「上司から『これをやれ』と言われた部下は、やれと言われたことばかりに気持ちをとらわれがちになる。何かミスをしてしまった場合も、『言われた通リにやったのに』という思いが胸をよぎり、自分に対する言い訳を用意してしまう。一方、自分で決めた目標は『こうありたい、こうなりたい』という気持ちの表れなので、自分自身でモチベーションをかきたて、頑張ることができます」
目標設定には二種類ある。
達成するのが難しい大きなものと、控え目なものだ。
言動不一致を恥じる傾向のある日本では、目標やノルマを小さく設定しがちである。
そんなときに、上司はどのように対応するべきか?
「お前ならもっとできる」とハッパをかけるのは簡単だ。
しかし、それでは押し付けになってしまう。
上司からすれば小さな目標でも、達成したらきちんと評価する。
評価をした上で、新たな課題を与えるのだ。
小さな目標を絶えず達成するように働きかけ、部下に自分の能力を掘り起こさせていくのである。
そのためには、日々の問いかけが欠かせない。
「上司が自分を見てくれている」とか「気にかけてくれている」という意識があれば、部下は自分自身でモチベーションを高めるものだ。
新年の始まりに部下が掲げた目標を、上司が修正してはいけない。1年というスパンで部下をどれだけ成長させられるのかを、組織を束ねる者は考えたい。