平成31年4月には非正規社員の賃金を上げないといけない?
2017年現在、政府が肝いりで推し進めている政策のひとつ「働き方改革実行計画」。
労働者が働きやすくなるよう、労働基準法改正案等の議論が関係閣僚と有識者で行われています。
関連法案の施行は、早ければ平成31年4月ころになる予定です。
「制約」「職能」「職責」の3視点で評価ルールをつくる
「働き方改革実行計画」の中で特に注目を集めているのは“同一労働同一賃金”。
同一労働同一賃金とは、正社員か非正規社員かといった雇用の形態にかかわらず、同じ仕事をしている労働者に対しては同じ賃金を支払わなければならないという考え方です。
説明のつかない賃金格差があると社員から訴えられる可能性があります。
そのようなリスクを回避するためには、どのような賃金ルールを作成しておけばよいのでしょうか?
「正社員に生産性の高い仕事」「非正規社員に生産性の低い仕事」といったように業務の振り分けが明確にできれば、正社員と非正規社員の賃金格差を説明しやすいですし、従業員の納得度も高いものになります。
「制約」「職能」「職責」の3つの観点から、正社員と非正規社員の評価を分けることでうまく回っているという某企業があります。
3つの観点とは以下のとおりです。参考にしてみてください。
1.制約
正社員とパートタイマー、アルバイトといった雇用形態によって、労働時間や勤務場所といった制約が違います。勤務地や出勤日など企業主体で制約が決められる社員の評価を高く、企業主体で決められない社員の評価を低くします。
2.職能
今までの評価制度と同じで、社員の能力や勤続年数によって判断します。勤続年数が長い正社員の評価を上げやすいようです。
3.職責
正社員と非正規社員との大きな差は職責にあります。部署やプロジェクトなどの責任者を評価することで、正社員の評価を上げられます。
なお、賃金ルールを決める際の正攻法は、これら3つだけではありません。
今後、法案が具体化していくにつれて他の手法も考えられるようになるでしょう。
働き方改革実行計画の今後の動きを見て、関連法案が施行される前に社内で準備を進めておきたいところです。