世代により消費の傾向や考え方は異なる 『世代別マーケティング』の効果とは
自社製品やサービスを売るためのマーケティングを考える際、どの世代をターゲットにするかを検討し、該当する人々の特徴や価値観を理解する『世代別マーケティング』が重要です。本記事では、世代別マーケティングが必要な理由や施策例などについて解説します。
世代別マーケティングは『傾向』 世代に応じたペルソナ設定が重要
近年、なぜ『世代別マーケティング』が注目されているのでしょうか。それは、生まれ育った時期が同じ、いわゆる同じ世代の人々は同じ社会環境のなかで生活し、その影響を受けて、特徴や考え方、価値観、消費などの行動の傾向が似ていると考えられているためです。世代が異なれば社会環境も異なり、考え方や価値観、消費傾向も異なる傾向があります。そのため、自社製品やサービスを売り出していく際、世代別マーケティングを行う場合は、まずターゲットユーザーの世代を設定することが第一歩となります。世代は一つにこだわる必要はなく、複数にわたっても問題ありません。そのうえで、その世代の特徴や考え方、行動の傾向を把握し、それに合ったアプローチをすることが重要です。
ただし、世代ごとの特徴はあくまでも『傾向』であり、『絶対』ではありません。「この世代は〇〇」と一方的に決めつけず、世代ごとの嗜好や重視している価値観がイメージできるペルソナ(顧客像)を柔軟に設定しましょう。ペルソナを決めたら、消費傾向を分析し、その傾向に合ったマーケティングを打ち出すと、効果が期待できます。
各世代で異なる価値観や消費傾向 ユーザー深掘りにも役立てよう
では、具体的に主な世代とその傾向を見てみましょう(生まれ年は一例で、諸説あります)。
①団塊世代(1947~1949年頃生まれ)
②しらけ世代(1950~1964年頃生まれ)
③バブル世代(1965~1970年頃生まれ)
④ロスジェネ世代(1971~1984年頃生まれ)
⑤ミレニアル世代(1985~1995年頃生まれ)
⑥Z世代(1996~2010年頃生まれ)
⑦α世代(2010年以降生まれ)
たとえば、『団塊世代』は競争意識や仲間意識が強く、流行や権威ある評価に敏感に反応し、マスメディアの影響を受けやすい傾向があります。マーケティングの例として、同世代の口コミや「日本初」などトレンド感を打ち出すコピーの活用、医師や弁護士などのお墨付き評価が効果的です。
『ロスジェネ世代』は仕事に対してストイックで、自己啓発意欲が高く、貯金や節約を重視する傾向があります。この層には「自分磨き」「自己のレベルアップ」など成長意欲を想起するコピーや、安心感・信頼感を与える第三者目線の口コミ活用、コスパのよさを伝えることなどが有効でしょう。 『Z世代』は、価値観や自分らしさを大切にする一方、承認欲求が強く他者からの評価に敏感、SNSや実生活で他者とのつながりを求める傾向があります。デジタルネイティブであるこの世代には、インターネットの動画コンテンツによる情報発信やネイティブ広告、インフルエンサーマーケティングなどとの相性がよさそうです。
世代別マーケティングは、ユーザーを深掘りする際にも有効です。自社製品やサービスのマーケティングにぜひ役立ててみてください。