売上を伸ばすために必要なこととは何か 「売上の構成要素」について考えよう
企業として、「どう売上を伸ばすか」を考えるのは重要なことでしょう。売上拡大は、営業やマーケティングなどの各部門でも共通して持つ目標です。売上を伸ばすにはどうすればよいか、今回はそのために必要なことを「売上の構成要素」という観点で考えてみましょう。
「売上構成の3要素」とは 何が自社に足りないのかがわかる
売上と一口にいうものの、その実、「売上の3要素」によって構成されています。この売上の3要素は「顧客数(新規顧客数+既存顧客数)」「客単価」「購買頻度」の3つで、これらをかけ合わせたものが「売上」となります。そのため、これらの各要素の数値を上げるアプローチを行うことが、企業の売上を伸ばすために重要なことといえます。「売上が伸びない」と悩む企業は、この3つの構成要素から売上拡大を妨げている要因を探るとよいかもしれません。
新規顧客数が伸びない場合であれば、「見込客(リード)の獲得不足」「見込客の育成不足」「受注率が低い」「受注に必要な人員の不足」などの理由が考えられます。新規顧客の獲得率を向上させるためには、一定数のリードが必要になり、それを踏まえた受注確度の検討やアプローチを考えることが重要です。
客単価が伸びない場合には「安易な値上げ・値下げ」「顧客ニーズをとらえていない」「不十分な値決め」などが理由としてあげられるでしょう。「値決めは経営」というように、最初の価格設定は重要なタスクです。そのためには顧客のニーズを把握できているのかをしっかり考える必要があります。適正な価格設定を行うことで、安易な値下げがなくても安定的な購入につながることが期待できます。
購買頻度が高まらない理由としては「ペルソナ(想定する顧客像)を意識した対応が足りていない」「サポート・フォロー不足」があります。顧客へのアプローチが足りずに「待ち」の姿勢が強すぎると、購買頻度が向上しない場合があります。
売上の要素は業種により異なるも工夫次第で売上アップが期待可能
小売・卸売・飲食などを例にして、「かけ算方式」で考えてみましょう。日頃から質の高いサービスを提供し、SNSなど駆使して情報発信していけば、クチコミから新規顧客を増やすことができるかもしれません。また、飲食店であれば単品料理以外に上位の「コース料理」を提案すること(アップセル)や、ドリンクなどの追加を提案すること(クロスセル)で、客単価の向上が期待できます。ポイントカードの導入や定期購入のプランを用意することで、購買頻度が高まるかもしれません。
なお、売上の3要素は、業種・業態で内容が異なるともいわれています。前述した「かけ算方式」のほか、販売施策や提供サービス・商品の売上を合計する「足し算方式」や売上向上の実行プロセスを数値化する「KPI方式」などがあります。
売上構成要素は、業種や業態によって多少異なるものの、基本的な考え方は同じといえます。工夫次第で売上向上の可能性は広がります。自社商品やサービスの販売がいまひとつ振るわないようであれば、一度、この「売上の構成要素」を見つめ直してみてはいかがでしょうか。