訪日外客数は過去最高を更新 インバウンド需要の取り込みが重要
⽇本政府観光局が2025年1⽉に公表した「訪⽇外客統計」によると、2024年12⽉のインバウンド客は単⽉過去最⾼となり、年間訪⽇外客数も過去最⾼を更新し、コロナ禍から脱却したともいえます。今回はインバウンド客好調の背景にある問題点も含め考察します。
2024年の訪⽇外客数は⼤幅増に 各国から訪⽇し旅⾏消費を後押し
2024年の訪⽇外客数は前年⽐で47.1%増となり、年間で3,600万⼈を突破しました。これは、過去最⾼であった2019年(31,882,049⼈)を約500万⼈上回り、過去最多の数字です。また、2025年1⽉の訪⽇外客数は3,781,200⼈で前年同⽉⽐では40.6%増となり、単⽉として過去最⾼を記録しています。地域別にみると、東アジアのみならず東南アジア、欧⽶豪・中東からの訪⽇客が増えているのが⽬⽴ち、これが年間の訪⽇外客数の更新を後押ししたといえるでしょう。
訪⽇外国⼈旅⾏消費額も堅調で、2024年は前年⽐の53.4%増で過去最⾼となりました。構成⽐では宿泊費・買い物・飲⾷代が上位を占め、前年度⽐で買い物の⽐率が3.0%増加しています。
訪⽇外客の増加に⾒る光と影 課題とチャンスを探る
訪⽇外客数は増加傾向にあり、コロナ禍脱却の気運が⾼まる⼀⽅で、課題もあります。具体的には、航空・旅⾏会社を取り巻く⼈⼿不⾜、旅⾏費⽤の⾼騰、円安傾向の継続、ウクライナ情勢に伴うルート変更・フライト時間増加などがあげられます。また、インバウンドの増加に伴い国内消費も増えているなか、訪⽇外客の急激な増加による地域住⺠の⽣活や⾃然環境に悪影響(騒⾳・ごみ問題、マナー問題など)を及ぼす「オーバーツーリズム」の問題もあります。
⽇本は「観光⽴国の実現」を掲げています。企業はインバウンド需要増加の課題も考慮しつつ、うまく時流に乗りビジネスチャンスを逃さないよう取り組んでみてはいかがでしょうか。