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小杉將之税理士事務所

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企業全体としての価値を向上させる手法 『事業ポートフォリオ戦略』を考える

New 2025.06.02

事業運営において、経営資源の効率的な配分、リスク分散などの戦略的な組み合わせにより、企業全体の価値を向上させることは⼤変重要です。そのために必要となる、企業が運営するすべての事業を可視化した『事業ポートフォリオ』を活⽤した戦略について解説します。

不確実性の⾼い世の中だからこそ事業ポートフォリオ戦略が重要

事業ポートフォリオ戦略では、企業が複数の事業を運営する際に、各事業の特性や相互関係を考慮し、全体としての最適な組み合わせを⽬指します。この戦略を⾏う⽬的は、経営資源の効率的な配分、シナジー効果の創出、リスク分散などがあります。不確実性が⾼い時世だからこそ、事業ポートフォリオの構築により、各事業や製品の特性、市場地位を考慮し、全体としてどのような経営⽅針を展開すべきか⾒直していくのも有効な⼿段の⼀つといえるでしょう。事業ポートフォリオ戦略を進めていくうえで有効なフレームワークとして「SWOT分析」があります。内部環境における「強み」「弱み」、外部環境における「機会」「脅威」とに分け、⾃社の状況を把握・分析します。ほかにもCustomer(顧客)・Function(機能)Technology(技術)の3つを評価軸とし、事業ドメインを明確にする「CFT分析」もあります。この戦略をとるメリットとして、①経営資源を最適に配分できる、②迅速な経営判断が可能になる、③リスク管理能⼒が向上する、④採算・不採算の事業が明確になる、などが期待できます。ただし、成功させるためには、いくつか注意点もあります。たとえば、収益性の⾼い事業に偏り過ぎると、その事業が⽴ち⾏かなくなった場合のリスクが⼤きくなるため、事業間のバランスを保つことが重要です。また、外部環境の変化に柔軟に対応できないと後れを取ってしまいかねません。さらに経営資源の配分についても状況をみて適切に配分しないと、いざというときに経営資源が枯渇することになりかねないので、注意が必要です。

事業ポートフォリオ事例に学ぶ ⾃社でも導⼊の意義あり

事業ポートフォリオ戦略の事例をいくつかご紹介します。「SONY」は過去に事業展開が多岐にわたっており、経営の⾜かせとなっていました。しかし、事業ポートフォリオを活⽤し事業を適切に再構築したことにより、現在の強固な市場地位を築きました。たとえば、低収益で成⻑の⾒込めない事業から撤退し、成⻑性の⾼いエレクトロニクスやエンターテイメント分野にリソースを集中投下したことや、イノベーションを促進し、先進的な技術や製品の投⼊を積極的に⾏い、市場での競争⼒を⾼めたこと、そして国際市場でのプレゼンスを強化し、多様な市場ニーズに対応する戦略を採⽤したことなどです。こうしてSONYは⾒事に復活を遂げました。「富⼠フイルム」も事業ポートフォリオ戦略により、事業の転換に成功した例として知られています。フィルム事業が衰退するなかで、新たな成⻑分野へのシフトを図り、現在の多⾓化経営を実現しました。具体的には、フィルム事業からヘルスケアや⾼機能材料、印刷などの成⻑分野へと事業を転換したことや、新規事業の開発に向けて研究開発を強化し、⾰新的な製品やサービスを提供したことなどです。そして、他社との戦略的パートナーシップを通じて、新たな市場や技術を取り込んだことで現在の地位を再構築した好事例とい
えるでしょう。事業ポートフォリオ戦略は、綿密な分析と柔軟な判断が重要です。簡単ではありませんが、事業間のシナジーを最⼤化し、事業の成⻑を促すために有効な戦略です。この機会に、事業ポートフォリオについて研究してみてはいかがでしょうか。


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