「社会貢献と税制メリット」を両立する 企業版ふるさと納税の戦略的活用術とは
社会貢献と税制メリットを両立できる「企業版ふるさと納税」。地方創生に協力しながら、最大で寄附額の約9割が軽減される注目の制度です。今回はその仕組みから、ブランド価値向上につながる活用事例、導入時の注意点まで、企業側の視点から解説いたします。
企業版ふるさと納税のメリットは何といっても圧倒的「税制優遇」
企業版ふるさと納税は、国が認定した地域再生計画に基づき、地方公共団体が実施する地方創生プロジェクトに企業が寄附を行なった際に税額控除される仕組みです。これは、単なる社会貢献活動を超え、新たな経営戦略としての可能性を秘めています。企業版ふるさと納税の寄附金額は前年度の約1.4倍、寄附の受入件数は約1.7倍と3年連続で大きく増加し、注目を集めています。
個人版ふるさと納税と異なり、企業版ふるさと納税は「地方創生」という明確な目的のもと、企業が地域の課題解決に貢献できる点が特徴です。寄附を通じた地域活性化は、自社のブランドイメージ向上や新たな事業機会の創出、さらに採用力強化や組織活性化など、多岐にわたる「非金銭的リターン」をもたらします。
この制度の最大の魅力は、税制メリットにあります。寄附額に対する税制優遇は2段階で構成されており、まず寄附額の約3割が損金算入による軽減効果として計上されます。これに加え、税額控除として寄附額の最大6割が控除されます。これにより、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な企業負担は約1割まで圧縮されるのです。たとえば、100万円を寄附した場合、実質的な企業負担は約10万円で済み、残りの90万円は税金からの軽減で賄われることになります。この税制メリットが、企業版ふるさと納税を企業にとって「使える制度」として注目させる大きな要因となっています。
企業版ふるさと納税は、税制上の優遇を受けながら、社会貢献を果たし、同時に企業の成長にもつながる戦略的な投資となり得るのです。
税制優遇と企業成長を両立する!企業版ふるさと納税の活用戦略に
企業版ふるさと納税は、単なる税制メリットにとどまらず、企業の成長を後押しする戦略的なツールとなり得ます。たとえばSDGs(持続可能な開発目標)への貢献や新たなパートナーシップ構築など、非金銭的な価値創出も期待できます。
この制度は主に3つの非金銭的リターンをもたらします。まず、地域貢献を通じたブランドイメージ向上により、競争優位性を確立できます。次に、地方自治体や事業者との連携から、新たな事業機会が生まれる可能性があります。最後に、社会貢献活動は従業員のエンゲージメントを高め、優秀な人材確保にもつながります。
実践にあたり、下記の「3つのチェックポイント」を意識することが成功の秘訣です。
①戦略:自社の経営戦略と結びついた寄附目的を明確にし、共有すること
②実務:基本ルールや寄附先事業を吟味し、円滑な手続きを進めること
③発展:寄附を一過性にせず、継続的な取り組みとして成果を発信し、企業の無形資産とすること
企業版ふるさと納税の真価を発揮するには戦略的な視点が不可欠です。内閣府のポータルサイトなどを活用し、自社の経営戦略に合致するプロジェクトを選び、自治体と積極的にコミュニケーションを取ることをおすすめします。
この制度は、企業と地域双方の「持続的な成長」を可能にします。確かな準備と戦略で取り組むことで、単なる寄附ではなく、両者が互いに高め合う「パートナーシップ」の構築が見込めます。持続可能な社会と企業の発展を両立する「はじめの一歩」として検討してみてはいかがでしょうか。




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