マイカー通勤手当の非課税限度額 11年ぶりに見直し、最大7,100円の増額
ガソリン価格の高騰や通勤距離の長期化を背景に、マイカー通勤者に支給する通勤手当の非課税限度額が、2014年の見直し以来、11年ぶりに見直されました。今回は、新しい非課税限度額の概要と、企業が実務で注意すべきポイントを解説します。
新しい非課税限度額と改正のポイント
マイカー通勤手当の非課税限度額の見直し内容が2025年11月に国税庁から公表されました。新基準は2025年4月1日以後の支給分に適用されており、給与の支給日が4月以降であれば、その対象期間にかかわらず新しい非課税限度額で計算する必要があります。
通勤のために自動車や自転車などを使用している人に支給する通勤手当の、通勤距離に応じて段階的に設定されている非課税限度額のうち、最も通勤距離の長い「55km以上」の場合で月額31,600円から38,700円で7,100円の増額となります。この7,100円という増額幅は、今回の改正での最大増額です。その他の距離区分についても、多くの区分で引き上げられていますが、たとえば「10km以上15km未満」の区分では200円の増額となりました。
この改正は、ガソリン価格や車両維持費の上昇を反映したもので、従来の基準では実情に合わないとの指摘を受けたことが背景にあります。特に地方では公共交通機関が不便な地域も多く、車通勤が必須となっている従業員にとって、燃料費の負担増は深刻な問題となっていました。また、実勢の燃料費と非課税限度額の間に乖離が生じる場面もあり、企業が制度運用の調整に苦慮するケースが見られました。今回の見直しにより、実際の通勤費水準との整合性が高まり、制度運用の明確化にも寄与すると考えられます。企業側にとっては、非課税範囲の拡大により通勤手当を増額しても課税関係が生じにくくなるため、従業員負担の軽減につながり、人材確保の一助となる可能性があります。
実務での注意すべき点と対応のポイント
非課税とされるのは、所得税法施行令に基づき『合理的な経路および運賃(費用)による通勤』と認められる場合に限られます。たとえば、距離が同じであっても、実態に合わない経路を申告している場合は非課税と認められない可能性があります。そのため、従業員から申告された通勤経路が妥当かどうかを確認することが求められますので、必要に応じて経路の再確認も行いましょう。また、企業の就業規則や給与規程に定める通勤手当の上限額を、改正内容に合わせて見直すことも重要です。
現在の規程が旧基準のままの場合、支給額が非課税範囲を反映できず、制度改正の趣旨を十分に活かせない可能性があります。給与計算システムの設定変更や、従業員への周知もしっかり行うことで、予期せぬトラブルを防止できます。
マイカー通勤手当の非課税限度額引上げは、地方勤務者の負担軽減と企業の人材確保の両面で、意義のある見直しといえます。改正内容を正しく把握し、支給規程やシステムを整備したうえで、従業員の通勤実態に即した対応を進めることが必要です。運用状況の定期的な点検も有効です。




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