ランチェスター戦略のススメ⑦
5つの視点(4)接近戦
勝利をもたらすランチェスター戦略。
弱者の戦い方には「5つの視点」が必要です。
その5つを順番に説明していきます。
今回は、その4「接近戦」です。
ランチェスター戦略にとって、
もっとも大切な考え方です。
これは、エンドユーザーであるお客様と
直接接する機会を増やす戦略です。
間に問屋や代理店を挟むのではなく、
じかにお客様と接触する展開を行うことで、
多くのメリットが得られます。
まずはお客様の声をダイレクトに得られる点。
これは「局地戦」における考え方にも通じるものです。
直接、お客様の声を吸い上げることで情報収集ができますし、
何より自社をお客様により深く知っていただくことができます。
問屋や代理店は販売にあたって
大変ありがたく、便利な存在ですが弊害もあります。
そのデメリットを避けるというのも
「接近戦」におけるメリットのひとつです。
たとえば、代理店などは商品を販売するにあたって
やはりネームバリューのある商品の方が
売りやすい傾向があります。
一方、商品名や自社のブランディングが
大手企業よりも劣っている自社の商品は売りにくく、
売りにくい商品は後回しにされ
さらに売れなくなるという悪循環に陥る可能性があります。
代理店を増やし販売を他社に委託するという方法は
強者こそが採るべき戦略であって、
弱者が選ぶ戦略ではありません。
また、ダイレクトに顧客と接すれば
顧客データベースを構築することもできます。
自社からエンドユーザーの間に他社が入れば入るほど、
実際の顧客の姿というのは見えにくくなります。
つまりデータベースが作りにくくなるのです。
弱者は自ら商品を売り切る力を身につけるべきです。
他社に商品販売を委託するのは
その後、強者になってからです。
【雑誌「Powerful」Vol.16 インタビュー記事より】
次回は「5つの視点(5)陽動戦」です。