“書いてある”ことと“伝わる”ことは、別物。絞ることこそ、仕事です。
多くのチラシには一つの「致命的な欠点」が見られます。
それは、
「伝えたい情報をすべて書いてしまっている」
ということです。
秋のフェスティバルの告知チラシであれば、
フェスティバル名から会場の場所、
日時に加えて、概要、責任者のあいさつ、
そして、11種類行われるイベントの詳細も書かれ、
さらにそれぞれのイベントに関する
問い合わせの連絡先までが、
小さなスペースにぎっしり書き込まれている。
関係者以外、誰も読まないような情報が、
スペースの半分以上を占めている。
こんなに“もったいない”ことは、ありません。
その情報は「書かれてはいる」が、
ほとんど読まれず、「伝わらない」のです。
これも入れておいた“方が”いい、あれも伝えた“方が”いい、
と要素が増えて、無理にでも入れ込むことになったのでしょう。
そうやって、
すべての入れておいた“方が”いい要素を盛り込んだばかりに、
肝心のフェスティバル名と会場の場所、
日時が目立たなくなってしまっている。
概要や目玉のイベントが“何か”が、伝わりにくくなっている。
チラシを作る立場を離れて、読む側の立場を想像してみてください。
世の中には、読むべきものが無数にあります。
そんな情報過多の現代において、
私たちの頭は、目は、心は、不必要な情報をできるだけ
シャットアウトしようとする傾向にあります。
そういった視点で、
チラシづくりの最も重要な仕事は何かと考えると、
それは「情報を絞ること」です。
あるいはプライオリティを付けることです。
例えば、
フェスティバル名と会場の場所と日時を第一プライオリティに、
概要と目玉のイベントを第二プライオリティにする。
あとは思い切ってチラシには乗せない。
どうしてもイベントがたくさんあることも伝えたければ、
「他にも10のイベントが!」くらいに留めるようにしましょう。
「書く」ことと「伝わる」ことは別物だと、まず認識してください。
「伝わるか?」という視点で情報を絞っていくだけで、
チラシはうんと効果的になります。