レビューで「プロセス」を見つめる
仕事にはノルマや納期がある。
社内的な期限が遅れるだけなら、影響は小さい。
しかし得意先を待たせるのは、
会社全体の信頼を傷つけることにつながりかねない。
ノルマや納期を守れなかったビジネスマンを、
スポーツに当てはめてみる。
チームという組織を慌てさせた意味で、
試合早々にノックアウトされた
野球のピッチャーに似ている。
自らのミスで失点を招いてしまった、
サッカーのゴールキーパーにも近い。
江戸時代の大名・松浦静山の名言に、
「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」がある。
プロ野球界の名伯楽・野村克也氏が語った
スポーツの真理として、記憶している方も多いだろう。
負けに「不思議がない」のは、
プロセスに原因があるからだ。
練習で手を抜いているアスリートは、
試合で活躍できない。
ビジネスマンも同じだ。
ノルマを守れなかった部下は、
「打ち合わせや待ち合わせに遅れがちでは?」
「仕事中にデスクを離れる頻度が高いのでは?」
「小さな時間の遅れやロスが常態化している」と、
勝負どころで同じようなミスを犯してしまう。
ビジネスマンの成果物は、
日常を映し出す鏡のようなものである。
上司に「観察力」が求められるのも、
部下の仕事の進め方=プロセスを
チェックしておくべきだからだ。
プロセスを把握できなければ、
適切な指導はかなわない。
部下自身にもプロセスを見つめさせる。
自分の仕事ぶりをレビューし、
次の仕事につなげるのだ。
振り返りは同じ失敗を繰り返さないための準備、
つまりプレビューの意味も含む。
ミスを無くすのは難しいが、
ミスを減らすことは可能だ。
その足掛かりがレビューである。
プロセスを見つめることで、
つまずきの原因を浮き彫りにすることができる。