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「消費税のみなし仕入率」改正の影響と対策

2016.01.18

消費税の簡易課税制度については、一部の経過措置の適用がある事業者を除き、平成27年4月1日以後に開始する課税期間について、みなし仕入れ率が一部改正されました。

今回は、この改正についての影響や対策を解説いたします。


a1180_006881<消費税の簡易課税制度とは?>

簡易課税制度とは、課税期間の売上高が5,000万円以下の中小企業者の事務負担を軽減させるために設けられた制度。原則的な消費税の計算(原則課税)が、売上などで受け取った消費税と、仕入れなどによって支払った消費税との差額を納付する計算方法です。

それに対して簡易課税制度は、支払った消費税を考慮せず、売上に対して業種ごとに設定されたみなし仕入率を使用し、支払った消費税を簡便的に算出して納付する、消費税額計算方法です。

今回の改正では、そのみなし仕入率の一部が改正されました。具体的には、次のようになります。
・第四種事業(みなし仕入率60%)に分類されていた金融業及び保険業が、第五種事業(みなし仕入率50%)へ
・第五種事業に分類されていた不動産業が、第六種事業(みなし仕入率40%)へ
いずれもみなし仕入率が引き下げられます。つまり、該当する業種については、消費税の増税となる改正です。

<改正による影響>

この改正の影響を受ける業種については、とても大きな増税といえます。具体的な例では、保険業を営む4,000万円(税抜)の売上がある事業者の場合には、支払う消費税額は 下記になります。

(従来)
受け取った消費税320万円(4,000万円×8%)-控除対象消費税額192万円(320万円×みなし仕入率が60%)=128万円

(改正後)
受け取った消費税320万円(4,000万円×8%)-控除対象消費税額160万円(320万円×みなし仕入率が50%)=160万円

この例では、32万円もの増税になり、売上高が4,000万円の事業者にとっては大きな負担となります。

<原則課税か簡易課税かの判断>

今回の改正では、上記に該当する簡易課税制度を選択している事業者は、受け取る消費税の大きさに比例して、消費税の税負担が大きくなります。

そのため、今回の改正を機に、簡易課税よりも原則課税で計算した方が、消費税負担を抑えられるケースも想定されます。そのため、まずは簡易課税制度と原則課税での支払う消費税額を見積もることが必要です。

そして、計算方法を変更しようとする場合、変更しようとする年度や年の前年度や前年中に、税務署に届出を行わなければいけません(ただし、簡易課税制度は2年間の継続適用が義務付けられています)。

もちろん、原則課税にすれば、消費税の集計など煩雑な事務負担が増えます。単純に消費税納付額の多寡だけで判断せず、専門家などに相談し、慎重に方針を決定してください。


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