政治献金(寄附)と寄附金控除について
参院選が間近な折り、応援したいと思う候補者や政党があった場合に、その気持ちを示すという意味で、金額の多寡に関わらず寄附したいという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうしたときに覚えておいていただきたいのが寄附金控除です。
皆さんは、個人で政治献金(寄附)を行うと、税務上の優遇が受けられることをご存知でしたか?
<応援したい政党への献金は税務上のメリットにもなる>
政治献金と聞くと、政治家との不適切な関係や賄賂など、ネガティブなイメージを持たれる方も少なくないかもしれません。
ただ、選挙においてはお金がかかるということもあり、既存の政治団体のみならず、「政党交付金」がもらえないミニ政党に対し、政治献金を行うことは大きな政治活動の一助になります。
そこで今回は、税務上のメリットとして個人で行った場合の寄附金控除についてご紹介いたします。
<個人で行う献金の方が税務上のメリットが高い>
個人献金の場合はどうなるか。政治家の後援会や政治資金管理団体、政党及び公職の候補者に対して、選挙資金の献金を行った場合には「寄附金控除」が受けられます。
ただし、政治資金規制法に違反する寄附や、寄附をした者に特別な利益が及ぶと認められたものは、寄附金控除の対象にはなりませんので、その点は注意が必要です。
なお、ネット献金でも同様に寄附金に対する優遇措置がありますので、各政党や政治団体のHPなどでご確認ください。
<税務上の優遇を受けるためには>
確定申告を行うときまでに寄附した相手先団体から、「寄付金(税額)控除のための書類」を受け取り、確定申告書に添付することが必要です。
確定申告時に書類が間に合わない場合でも、領収書を添付しておいて、後日、書類を税務署に提出すれば大丈夫です。
ちなみに、個人が支出した寄附金の控除には、寄付金控除(所得控除)と、寄附金特別控除(税額控除)のいずれか有利な方を選ぶことができます。
詳しくは、以下の国税庁HPをご確認いただくか、一度、会計事務所に相談されるとよいでしょう。
一方、企業(法人)が政治献金をした場合には、個人のような税制上の優遇措置はなく、一般の寄附金「損金」として処理することになり、損金にできる金額には制限があります。
法人ではなく、社長個人や役員の寄附金として寄附を行った場合には、個人の寄附金控除を受けることができ、その方が税務上有利になることが考えられます。
なお、平成27年4月1日時点での法令によると、パーティー券の購入は、寄付金控除の対象にはならないということです。
実際にパーティーに出席した場合には、出席分の代金は交際費として処理するのが一般的ですが、その場合、出席の証拠として写真などを残しておくとよいでしょう。
*詳しくは、国税庁のHP「No.1154 政治献金と寄附金」参照