若者世代が重要視する考え方として注目 時間対効果の『タイムパフォーマンス』
Question Answer
最近、若手を中心に『タイムパフォーマンス(タイパ)』という言葉を使っているのを、社内でも聞くようになりました。これまで『コストパフォーマンス(コスパ)』という言葉はよく使っており意味もわかりますが、『タイパ』とはどういう意味なのでしょうか。教えてください。
→『タイムパフォーマンス(タイパ)』は『時間対効果』を意味し、『費用対効果』を意味するコスパから派生した言葉といわれています。情報に溢れた現代では、特に若い世代に注目されている考え方です。タイパは企業組織運営にも重要な概念で、メリットもたくさんあるので、知っておいて損はないでしょう。
時間対効果を意味する『タイパ』 情報過多の現代に必要な考え方
『時間対効果』を意味する『タイムパフォーマンス(タイパ)』は、2022年新語大賞にも選ばれ、注目言葉の一つとして知られています。ではなぜタイパが注目されているのでしょうか。
ITの発達やデジタルコンテンツの増加によって、現代は多様なコンテンツや情報が溢れる時代といえます。そのため、大量の情報のなかから、いかにして効率よく必要な情報にアクセスするのかが重要視され、大量の情報を収集し処理をするスキルが求められるようになっています。
今ではスマートフォン一つで、多くの情報収集や処理ができるような時代であり、SNSの発展で、簡単に世界中の人々に情報発信や共有ができるようになりました。タイパという考え方は、このような観点から、デジタルネイティブでもある若い世代を中心に重要視されるようになったものといってよいでしょう。
しかし最近、タイパを単に「若者にありがちな考え方」と捉えるのではなく、ビジネスの世界にも大変有効な考え方であると認識されるようになってきました。限られた時間で、いかにして最大限の効果や満足度を得ることができるのかという観点で考えると、タイパは非常に大切なことを私たちに教えてくれるのです。
タイパ視点で仕事を進めることで生産性向上や働き方改革にも寄与
タイパのメリットはたくさんあります。一つは『生産性の向上に寄与する』という点です。短時間で最大限の成果を上げようという考え方なので、これは納得できるのではないでしょうか。次に『ワークライフバランスの実現』があげられます。短時間で多くの処理をして成果が上がれば、早く帰宅して自分の好きなことに時間を使うことができます。タイパに取り組む企業は若手人材に支持されやすくなり、採用面で有利に働くことも期待できます。ただし、あまりにタイパの効率重視が行き過ぎると、細かな変化に気付きにくくなることや、短期的な成果ばかりを追求し過ぎるために、達成感が得られにくくなるデメリットもあります。
タイパを実現するために考えられる環境整備としては、「人材の適材適所への配置」「社員のタスクの可視化」「短時間労働の導入」「テレワーク・ハイブリッドワークの活用」などが考えられます。
労働人口減少の時勢にあって、多様な働き方や働き方改革の観点からタイパを考えることはとても重要です。どうすれば短時間で最大の成果が上げられるかについて、個人レベルだけでなく、企業としても真剣に考えてみてはいかがでしょうか。取り組み一つで、収益面でもさらによい影響を与えるかもしれません。