「ドラえもん」に登場する『空き地』が消えた理由
日本人ならほとんどの人が知っている
国民的アニメ・漫画「ドラえもん」。
ドラえもんといえば、
主人公ののび太がジャイアンやスネ夫達と、
漫画の中で「空き地」は子供たちの大事な遊び場ですが、
現実社会で、「ドラえもん」の世界のような
住宅地の中では「空き地」は今となってはなかなか見ることはできません。
なぜ『空き地』はないのか?
それは…
『土地を有効活用して、収益を上げたほうが儲かるよ』
と言われてしまったら、当然そちらへ向かってしまうからです。
空き地のままでは固定資産税がかなりかかってしまうのです…。
具体的に「ドラえもん」に登場する『空き地』の固定資産税はいくら位になるのでしょうか?ここからはすべて仮定の話ですが
◆仮定1 1平方メートルあたりの評価額◆
「ドラえもん」の舞台は練馬区の月見台という架空の地区。
練馬区の一般的な評価額を勘案して、
固定資産税評価額は1平方メートルあたり25万円とする。
◆仮定2『空き地』の面積◆
野球をする場面があるため、内野の面積すっぽり入る
1000平方メートル位(32メートル四方)は必要か!?
もし上記仮定で固定資産税を算出すると、
土地全体の固定資産税評価額(課税標準額)は、
25万円×1000平方メートル=2億5千万円。
固定資産税は、
2億5千万×1.4%(固定資産税の標準税率)=350万円。
さらに都市計画税が課されれば、
2億5千万×0.3%(東京都23区の場合)=75万円。
合計425万円です。
『空き地』を所有しているだけで400万以上の税金を払うのは…
となると話が出てくるのは『土地活用で節税』。
固定資産税の評価額は、更地(空き地)>事業用地>住宅用地であるので、
1000平方メートルの土地にマンションでも建てれば、
固定資産税は1/3または1/6に大幅に節税できます。
そうなれば、子供たちの遊び場のために
空き地を空き地で残しておこうという奉仕の精神の塊のような地主さんが
減ってしまうのも当然頷けるわけです。。。
「ドラえもん」では当たり前だった「空き地で野球」という風景が
消滅してしまうのは少し寂しいですね。