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小杉將之税理士事務所

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試用期間なら解雇できる?本採用拒否に潜む法的リスク

New 2026.06.15

「試用期間中にミスマッチで辞めさせられる」と思われがちですが、試用期間中でも解雇や本採用拒否には厳しい法的制約があり、対応を誤れば不当解雇としてトラブルに発展しかねません。今回は、試用期間で解雇・本採用拒否が認められる範囲などについて解説します。

試用期間中であっても労働契約は有効に

 試用期間とは、採用した従業員の業務適性や勤務態度を見極めるために設けられる期間ですが、試用期間中であっても、企業と従業員との間には、原則として労働契約が成立しています。試用期間中の企業と従業員の契約関係は、判例では「解約権留保付き労働契約」と整理されています。これは、企業と従業員との間にはすでに労働契約が成立し、試用期間中に企業は契約を解除できる権利を保有している状態にあるということです。ただし、試用期間であれば、企業はいつでも自由に従業員を解雇できるわけではありません。
 試用期間中の解雇は、本採用した後であれば認められない事由でも、一定の範囲で解雇が有効と認められる可能性はあります。ただし、そのためには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められることが必要です。具体的には、従業員の勤務態度不良、能力不足、協調性欠如などが顕著で改善の見込みがないことについて、具体的事実に基づく判断が求められます。
 試用期間中の従業員を解雇する場合は、入社後14日を超えるときには、通常の解雇の場合と同じく、原則として30日以上前の解雇の予告または30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要になります。14日以内の解雇であれば、解雇予告や解雇予告手当の支払いは不要ですが、解雇の正当な理由(客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であると認められること)は不可欠です。従業員から求められた場合には、企業は解雇理由証明書を交付する義務があり、解雇理由の説明が不十分だと、不当解雇として訴えられるなど紛争リスクのおそれがあるため、注意が必要です。

本採用拒否の場合も解雇と同様に扱われる

 試用期間が満了した時点で企業が形式上「適性がないため本採用しない」と判断した本採用拒否の場合であっても、実質的には通常の解雇と同様に扱われます。そのため、合理的な理由がなければ、本採用拒否も容易に行うことはできません。
 本採用拒否に合理的な理由があると認められるのは、たとえば次のようなケースです。
・一定の能力を見込んで採用したが、期待していた能力が業務で発揮されないなど、採用時に把握できなかった重大な能力不足が判明した場合
・繰り返し業務指示に従わず、企業の改善指導にも応じないなど、勤務の継続が困難であると判断される場合
・履歴書などにおいて経歴を詐称するといった、信頼関係を根本から損なう事情がある場合
 そこで、試用期間中の解雇や本採用拒否が正当であると認められるために、企業が取るべき実務対応としては、次のようなことがあげられます。
①試用期間中の評価基準を明確にし、評価項目に関する事実について記録を残す。
②勤務態度などの問題点については、繰り返し指導を行い、指導記録を残し、改善の機会を与える。
③就業規則や雇用契約書に、解雇事由など試用期間や本採用に関する規定を整備しておく。
 試用期間中であっても、解雇や本採用拒否は無制限に認められるものではありません。「試用期間だから大丈夫」という安易な判断は、後に大きなトラブルを招くおそれがあります。日頃から評価基準や指導プロセスを明確にし、適正な手続きを踏むことが、企業と従業員双方にとって納得感のある雇用関係の構築につながります。

試用期間中の解雇は不当?不当解雇に該当する理由や注意点を解説 | 採用管理システムsonar ATS


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