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小杉將之税理士事務所

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突然の「退職代行」通知! 慌てないための初期対応と実務

New 2026.08.24

近年、退職代行サービスを利用して一方的に退職を告げられるケースが急増しており、対応次第ではトラブルに発展しかねません。退職代行の法的背景を正しく理解し、冷静かつ円滑に手続きを進めるための実務対応と、退職代行の利用を防ぐ組織づくりを解説します。

通知が届いた際の初動 交渉権の有無を見極める

 退職代行サービスとは、退職を希望する従業員本人に代わり、その意思を会社に伝え、退職手続きを代行するサービスです。代行業者からの通知には、感情的にならず、法的リスクを避けて適切に対応することが重要です。
 退職代行への初期対応における基本的な流れとポイントは、次の通りです。
 ①法的資格の確認
 退職代行サービスの形態は弁護士、労働組合、民間業者の3つに分類され、それぞれ法的権限と対応できる業務範囲が大きく異なっています。民間業者の場合は、有給消化や退職日の調整など代理人として交渉を行うことは非弁行為にあたります。そのため、相手の形態から交渉権の有無を見極め、対応の窓口を一本化することが重要です。
 ②退職意思の確認
 退職の効力は就業規則よりも民法が優先され、期間の定めのない雇用契約の場合、原則2週間前までの告知で退職は成立します。代行業者経由であっても、退職の意思表示は有効とされ、「本人と直接話したい」と一方的に求めることは、かえってリスクを招きかねません。従業員本人の退職意思を確認するには、代行業者経由で「退職届」を提出させるプロセスを踏みましょう。
 ③事務手続きの進行
 従業員は会社との直接のやり取りを避けるために退職代行を利用しているので、業者を窓口として手続きを進めることがリスク回避につながります。具体的には、社会保険や雇用保険の資格喪失手続き、離職票の作成などを進めると共に、貸与品の返却先を通知して郵送を依頼します。

現場の混乱を防ぐ対応 職場環境の点検も重要に

 退職代行を利用された場合、手続きを進めるうえで、いくつか注意すべきことがあります。まず、退職日までは欠勤となる場合が多く、無理な出社命令は避けるのがよいでしょう。なお、有給休暇が残っている場合、本人から請求があれば、会社は原則としてその消化は拒否できません。給与や残業代などの未払賃金についても、後でトラブルにならないよう正確に計算して支払いましょう。また、「退職代行を利用して辞めた」という事実は、ほかの従業員の士気低下や不安に直結しかねません。そのため、退職理由についてはプライバシーに配慮し、事務的な報告に留めるのが賢明です。退職した従業員の業務をフォローする残った従業員のメンタルケアにも努めましょう。
 退職代行を利用する従業員が出た場合は、会社として再発防止に向けて職場環境を点検する必要があります。「退職したくても直接言い出せない」背景に職場の課題がないかを確認するために、ハラスメントや相談しづらい雰囲気の有無などを点検します。そして、日常的に従業員との対話の機会を重ねることで、従業員の不安を軽減します。退職代行をきっかけに「風通しのよい職場」づくりへつなげていくことが重要です。
 退職代行の通知は、会社にとって「不意打ち」のように感じられるものですが、感情的な対応は禁物です。法的なルールに基づき、事務的に粛々と手続きを進めることが、結果として会社を守ることにつながります。同時に、大切な人材が「直接退職を告げられない」くらい追い詰められることがないよう、日頃から風通しのよい職場環境の整備が、最も有効な退職代行対策となります。

退職代行業者のイラストのイラスト素材 [119176473] - PIXTA


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