「もしも」から社員と会社を守る 今から始められる「オフィス防災」
巨大地震や局地的な豪雨など、自然災害への備えは企業にとって重要な経営課題の一つです。大がかりな計画づくりにとどまらず、オフィス環境の安全確保や、帰宅困難者への対応など、現場で今すぐに着手できる備えから始めてみましょう。
什器の転倒を防ぐ安全な配置と避難経路の点検で有事に備える
地震が起きた際、オフィス内でまず心配なのが、キャビネットや書棚といった什器の転倒です。什器はL字金具や突っ張り棒で壁や天井に固定し、重い物は下段に収納することで、被害を軽減できます。デスクの近くや通路側に倒れやすい家具を置かないなど、配置も見直しましょう。
台風や豪雨などによる水害では、オフィスへの浸水により設備故障や業務停止のおそれがあります。重要書類や機器を浸水しにくい場所へ移動させ,データをバックアップしておくなど、事前の対策が重要です。あらかじめハザードマップで浸水リスクを確認しておくと、より適切な備えにつながります。
避難経路の確保も欠かせません。通路や非常口などの避難経路には、避難の支障となる物品を置かないよう、消防法令上も適切な管理が求められています。日頃から整理整頓を心がけ、通路には物を置かないことを徹底しましょう。避難経路や非常口の表示は、床に貼るタイプの案内や暗闇でも光る蓄光シールを活用すると、停電時でも視認しやすくなります。エレベーターは地震の際に使用できない場合もあるため、あらかじめ避難経路を社員全員で確認しておくことも重要です。
年に一度は、実際に避難経路を歩いて確認する機会を設けましょう。案内表示が古くなっていないか、通路がふさがれていないかを点検することが大切です。オフィスのレイアウトを変更した際は、あわせて避難経路も見直し、社員全員が最新の経路を把握できる状態を保っておくと安心です。小さな確認の積み重ねが、いざというときの備えにつながります。
帰宅困難時に社内で待機 必要な備蓄品の準備と点検を
大きな地震や大雨が発生すると、電車やバスなどの公共交通機関が止まり、多くの人が一斉に徒歩で帰宅しようとする事態が想定されます。道路が混雑した状態で無理に移動すると、怪我や事故につながる危険もあるため、まずは会社にとどまり、状況が落ち着くまで待機するのが基本的な考え方です。社員がこうした原則をあらかじめ知っているかどうかで、混乱時の行動は大きく変わります。日頃から朝礼や社内掲示などで共有しておき、いざというときに慌てず判断できるようにしておきましょう。社内での待機に備え、備蓄品を準備しておくことも重要です。
待機に欠かせないのが、水や食料などの備蓄です。水は1人1日3リットルを目安に、食料はアルファ化米やビスケット、缶詰など、常温で保存できるものをそろえておくと安心です。簡易トイレや毛布、懐中電灯、モバイルバッテリーなども、あわせて用意しておきたいアイテムです。まずは3日分を目安に備蓄し、災害の長期化に備えてさらに余裕を持たせると安心です。社員数だけでなく、来客などの滞在者も考慮して、必要な数量をあらかじめ見積もっておきましょう。
備蓄品は、1カ所にまとめて保管するのではなく、フロアごとに分けて置いておくことで、被災した際にすべてが使えなくなるというリスクを抑えられます。賞味期限や使用期限を定期的に確認し、古いものから日常的に消費しながら補充していくローリングストックという方法も、無理なく備蓄を続けるコツです。必要な数量を定期的に見直し、日頃の在庫管理と同じような感覚で、自社に合った備えを少しずつ整えていきましょう。





